凝縮系核反応研究部門(共同研究部門)

研究概要

原子核反応を起こすには、原子核を高エネルギーに加速することが必須です。ところが、1989年に、英国と米国の電気化学の研究者が、Pd電極を用いた重水の電気分解により異常な発熱現象を見出し、Pd電極中でD+D核融合が生じている可能性を提起しました(いわゆる「常温核融合」)。このような 「凝縮系中での超低エネルギー核反応」の研究を推進しようと、2015年4月に、電子光理学研究センターと株式会社クリーンプラネットが設置したのが、この(産学連携)共同研究部門です。

常温で核反応が生じることは、従来の核物理学の常識から大きく逸脱しています。しかしながら一 方では、凝縮系が超低エネルギー核反応にどんな影響を及ぼしているのかは、十分に調べられていません。これまで世界各国で、金属中での低エネルギー核反応、Pd電極の重水電気分解・Pdナノ粒子の重水素ガス吸蔵での異常な発熱現象、重水素ガスのPd薄膜透過に伴う核変換現象等を中心に、研究が展開されてきました。観測された現象が未知の核反応によるものであれば、原子核反応の概念に大変革をもたらします。また、「凝縮系核反応」は、社会的にもクリーンな原子核エネルギーとして、将来の産業構造に大きな変化をもたらすと期待されています。

本共同研究部門では、以下の研究開発に取り組んでいます。

  1. 「凝縮系核反応(CMNR)」の学術的基盤データの増強と機構解明
  2. 将来のクリーンエネルギー技術としての可能性追求
  3. 革新的放射性廃棄物処理技術に向けた基礎研究

スタッフ紹介

特任教授 岩村 康弘

  • 専門:凝縮系核科学
  • TEL:022-743-3462
  • E-mail:iwamura*raris.tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
  • researchmap:https://researchmap.jp/CMNR

客員准教授 伊藤 岳彦

  • 専門:凝縮系核科学
  • TEL:022-743-3426
  • E-mail:itoh*lns.tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)

研究教授 笠木 治郎太

  • 専門:原子核物理・凝縮系核科学
  • TEL:022-743-3414
  • E-mail:kasagi*lns.tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
  • researchmap:https://researchmap.jp/kasagi-01

准教授 菊永 英寿