以下の内容でRARiSセミナーを開催いたします。
・講師:塚田 和明 氏(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)
・日時:2024 年11 月14 日(木)16:30~
・場所: 先端量子ビーム科学研究センター 青葉山事業所 分子イメージング棟2階 講義室 (オンライン 配信も予定.アドレスは改めてご連絡いたします)
・題目:加速器を利用した有用放射性同位元素の合成・分離・精製研究とその展開
・概要: 主に加速器を利用して発生する高速中性子を利用した医療用放射性同位元素(RI)の合成を中心に、 その生成・単離手法の開発研究を行ってきた。 重イオンビームと炭素標的から発生する数十MeV の高速中性子は、様々な反応を引き起こすため多様なRIの合成可能であり、 効果的な合成法の一つである。 特に、中性子による反応は標的物質に熱的負荷がかからず、 様々な化学形の試料照射が可能であり、化学分離の際の出発物質を直接照射するなど、 作業者の被ばくを伴う化学分離プロセスの簡略化が可能である。 これまで主にMo-99/Tc-99m、Cu-64・67、Y-90、Sc-47 などに関する分離手法の開発を行ってきたが、 最近、東北大学AVF サイクロトロン加速器では重陽子ビームの大電流化を目指しており、 今後、生成量の増大が期待できるため、他の有用RI にも対象を広げることを考えている。 また、本高速中性子をポリエチレンブロックなどで減速することで、 熱中性子の利用も可能であり、将来の中性子源としての利用の拡大など、更なる発展も視野に研究を展開したい。 講演では、本センターがサイクロトロン加速器に加えて電子線加速器が使用できる環境から、 両加速器を効果的に利用した有用RI の合成・分離研究や薬剤等への応用、 そして有用RI 利用を中心とした共同利用の促進などに関しても報告したい。