電子線形加速器や1.3GeV電子シンクロトロン(BSTリング)の高度化およびビームダイナミクスの研究、試験加速器(t-ACTS)を使った超短パルス電子ビーム発生およびテラヘルツ領域のコヒーレント放射光発生など、ビーム物理学に関する研究を展開しています。
t-ACTSでは、電子ビームの縦方向位相空間分布を制御できる特殊な高周波電子銃と進行波型加速管における速度集群を用いて100フェムト秒以下の超短パルス電子ビームを生成することが可能です。この超短パルス電子ビームを使い、発生メカニズムの異なる幾つかのコヒーレント放射光源に関する研究を行っています。永久磁石で構成されるアンジュレータを使った高輝度かつ狭帯域のコヒーレント・テラヘルツ光の発生では、直線偏光したコヒーレントアンジュレータ放射から、左右円偏光や楕円偏光した放射へと変換することに成功しました。その他、高エネルギー加速器研究機構(KEK)や物質・材料研究機構(NIMS)と連携し、液体ヘリウムを必要としないニオブスズ超伝導高周波空洞の開発研究を進めています。将来的には、ニオブスズ超伝導高周波空洞の技術を汚染水浄化や医療用放射性同位元素製造などのビーム利用・応用へと繋げていきたいと考えています。